神戸大学大学院工学研究科応用化学専攻/工学部応用化学科

専攻紹介

専攻の教育ポリシー

応用化学は21世紀の夢を担う

 化学工業は人類の平和と発展のために、種々の石油化学製品、プラスチック、金属、セラミックスのような基礎素材の生産だけでなく、医工学、エレクトロニクス、バイオテクノロジー、エネルギー工学、食品工学など広範な工学、産業において多大な貢献をしています。特に、近年のあらゆる化学技術の急速な進歩は、化学研究者・技術者によってなされた”材料革命”とも言える、精密かつ高度な機能を有する物質・素材・材料のめざましい研究開発と高度生産技術の研究開発によって培われてきました。

 神戸大学工学部では、そのような社会情勢に呼応し、1948年設立の旧工業化学科と1965年設立の旧化学工学科が統合、1992年に応用化学科が設立されました。現在は2講座制・14研究グループからなる我が国でも数少ない工学系の総合化学系学科となっています。

 本学科は、いかに高度な機能性を有する物質を創造するか?いかに機能性のある材料を開発・応用するか?また、このような物質、材料を資源・エネルギーを大切にして工業的にいかに有利に生産するか?物質創製や生産にいかに生物機能を応用するか?などの社会的要請に応えて、将来の化学工業を背負って立つ研究者・技術者の育成のための教育・研究を進めています。

 3年生までは、講義・実習等を通じて基礎学問を修得すると同時に、様々な分野にわたる学生実験によって、研究のための基礎学力と実験の計画・解析の力を養います。4年生の卒業研究においては、応用化学科教員の研究分野に基づく研究グループに配属され、少人数グループ方式で実験、演習・討論やコンピュータ利用などの実践的指導を受けながら有意義な研究活動をすることができます。このようなゼミナール活動を通じて学生同士だけでなく教員と親密な交流を行うことにより、調和のとれた優秀な研究者、技術者に成長することが期待されています。

 本学科を卒業することにより、学士(工学)の学位が授与されます。

 また、本学科とともに研究活動を行っている大学院工学研究科は前期課程および後期課程からなる博士課程での教育を行う大学院で、平成19年4月に従来の自然科学研究科が改組されて発足しました。工学研究科には、応用化学専攻が設置されており、毎年、多くの本学応用化学科卒業生及び他大学卒業生を受け入れ、大学院における教育・研究を行っています。博士前期課程では各教員の最近の研究成果を盛り込んだ、より高度で専門的な授業と、マンツーマンあるいはゼミナールの指導方式の修士論文研究により、基礎学力、応用力及び創造力を有する、より優秀な研究者、技術者に育っていきます。

 本専攻博士前期課程を修了することにより、修士(工学)の学位が授与されます。

 また、博士前期課程を修了した学生は、入学試験を経て、博士後期課程に進学することが可能であり、より高い専門性を有する研究を行っています。

 本専攻を修了することにより、博士(学術)・博士(工学)のいずれかの学位が授与されます。

 このように本学科では、大学院教育と連携しつつ応用化学を通じた教育・研究を通じて、社会に貢献するとともに、学協会などからも高い評価を受けています。

学部教育における応用化学科のカリキュラムの特徴


 科学技術の将来を見据えた人材の育成に対する大学への期待は、工学教育においても、ますます大きくなってきています。この期待に答えるべく、神戸大学工学部では、各学科の教育理念を公表し、その理念に沿った教育・研究を行っていくことになりました。それをうけて、応用化学科では、将来の世界の化学工業を担う人間的に調和のとれた化学研究者・技術者の育成をめざした教育プログラムを編成しています。

1。全学共通科目と専門基礎科目による国際社会に通用する知育・徳育・体育の修得

 大学教育センターの協力体制の下、教養原論、外国語、情報、健康・スポーツ関連科目による幅広い教養を養います。

2。導入・探求ゼミナールによる早期啓発教育

 1年次における導入ゼミナール(前期)・2年次における探求ゼミナール(前期)において、各研究室における教官とのコミュニケーション・ふれあいの場を設け、いち早く化学研究に対する動機付け・課題探求能力の発掘を図ります。

3。厳選された専門科目の講義と数多くの実験・演習プログラム

 積極的に自己学習の機会を設け、徹底した基礎学力の充実・理解を図ります。
複数教官の同一カリキュラムによる少人数教育を行います。(一部講義・演習科目において実施)
自ら手足を動かすことによる実体験、自ら発表を行うことによるコミュニケーションを通した学習の機会を設けます。

4。社会との架け橋となる数多くの特別講義・特別講演

 学外の多彩な研究者・技術者による化学工業の実践的な講義が組まれています。

5。大学院教育との有機的なつながりを持った卒業研究

 応用化学科は、自然科学研究科応用化学専攻博士前期課程と博士後期課程における大学院の教育・研究と有機的なつながりを持って運営されており、4年次には14研究グループに配属され、教官・大学院生と共に卒業研究が行われます。ここではチームワーク能力・コミュニケーション能力・プレゼンテーション能力の修得も行うことになります。

6。厳正な成績評価とカリキュラムに対するモニタリング

 自らが学習した結果は厳正に評価され、化学者として自立するための適正な教育が行われます。

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