神戸大学大学院工学研究科応用化学専攻/工学部応用化学科

教育

教育カリキュラムの紹介

学部教育の目指すもの

2007年4月

 化学工業は石油化学製品、金属、セラミックス、プラスチックスのような基礎素材の生産だけでなく、エレクトロニクス、ナノテクノロジ、分子機能工学、エネルギー工学、バイオテクノロジ、医工学、食品工学などあらゆる分野の工学や産業において多大の貢献をしている。近年のめざましい、かつ急速な科学技術発展の根幹には、化学の分野の研究者・技術者によってなされた"材料革命"と呼べる精密かつ高度な機能を有する物質、材料のめざましい研究開発と、高度生産技術の研究開発がある。エネルギー・環境問題を視野に入れた、化学工業の"健全な発展"無くしては、将来の人類の繁栄と安泰を語ることはできないと言っても過言ではない。 

 応用化学科は、そのような社会情勢に呼応して、新しい理念により従来の工業化学科と化学工学科を有機的に統合して生まれた工学部の総合的な化学系学科である。本学科では、分子レベルのミクロな基礎化学から、分子集合体である化学物質・材料への機能性の付与、機能性の発現、物質の創製および生産技術への生物機能の工学的応用、実際のマクロな工業規模の製造、生産の技術やシステムにわたる広範囲の教育内容を、新しい規範により縦横に統合して一貫性のある教育を行うことを目指している。その実現のため、応用化学科は以下の教育研究の目標を有する2つの講座から構成されている。

 1) 物質化学講座
原子とそれによって構成される分子の世界と、分子の集合により作り出される多様な機能とを結びつけることを目的とし、原子・分子レベルの物質からナノ、メゾ、マクロに至る広い範囲の集合体を対象として、化学物質・材料の精密かつ高度な機能性の付与および機能性の創製を行い、工学の立場から機能性発現の機構解明とそれに基づく新規な物質創製技術について教育研究する

 2) 化学工学講座
化学反応および生物反応に基づく物質・エネルギー変換過程における、分子間相互作用、生体分子機能および物質・エネルギー移動現象の解明に基づいて、新規素材・反応触媒の開発、反応・移動現象の制御法の確立、新規生産プロセスの創造をすすめ、有用物質、エネルギーの高効率、低環境負荷生産プロセスの開発について教育研究する。

 これらの目的のため、将来の世界の化学工業を背負って立つ研究者・技術者の育成を目指して、学部段階では基礎に重点をおいた教育を行う。

 教育カリキュラムの詳細は、工学研究科・工学部のホームページから、在校生の方へのページに行くと確認できます。工学部・工学研究科教務情報の、各学期ごとの、時間割についてをご覧下さい。

 この際、まず全学共通科目としての教養原論、外国語、情報、健康・スポーツ関連の各科目の他、専門基礎科目がカリキュラムとして組まれている。これらにより、国際社会に通用する知育、徳育、体育の修得を行う。さらに専門教育においては、厳選された講義を履修し、その中で積極的に自己学習の機会を設け、徹底した基礎学力の充実・理解を図る。その際、実験・演習を数多く取り入れることで、自ら手足を動かすことによる実体験、自ら積極的に発表することによるコミュニケーションを通して学習し、応用力をつけることを特徴とするカリキュラムを組んでいる。特に、1年次の導入ゼミナールおよび2年次の探求ゼミナールにおいて、少人数単位での教員とのふれあいの場を設け、化学研究に対する能動的な動機付け、課題探求能力の発掘を図っている。また、一部科目では複数教員が合同で講義し、少人数教育によって授業の質的向上に努めている。これらによって培われるべき知識、経験は厳正に成績評価され、合格と判断されたもののみが卒業研究のための研究室への配属が認められる。

 一方、教員側においてもカリキュラムの適切な進行を検討委員会を通して常にモニターし、 問題点を洗い出すとともに、教育理念に沿った形に軌道を修整するシステムを構築している。また、特別講義や特別講演として社会との架け橋となるべく学外の多彩な研究者・技術者による 化学工業の実践的な授業も採り入れ、より一層の幅をもたせたカリキュラムにしている。

 本学は研究志向型の大学を目指していることから、卒業研究は本学科の教育研究分野に基づく研究グループに分かれて行う。卒業研究のテーマは、指導教員との相談の上で個別に設定される。さらに、その研究過程において世界的水準に照らして最先端の研究となるべく、教員と学生は各研究室で少人数での卒業研究・ ゼミナールなどを通じて、親密な交流、チームワーク能力、コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力の修得に努めており、人間的にも調和のとれた化学研究者・技術者の育成を目指している。

 本学科が所属する工学部と本学大学院工学研究科とは、多様な人材を養成する教育改革および先端的研究の推進をより強力に図るため、学部教育と大学院教育とを通じて一貫した教育研究組織を構築している。この目的を実現するために、応用化学科から大学院工学研究科応用化学専攻への進学によって、さらに専門的・実践的な化学に関する教育・研究の機会が与えられている。

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